粗大ごみ 神奈川に関するビジネスと今後

原木、木材チップ、あるいはパルプに加工後輸入される外材由来が6割弱、主な輸入相手国はアメリカ、オーストラリア、カナダだ。
製紙業関係者は、輸入原料はほとんどが先進国からで、針葉樹は製材残材、広葉樹は低質丸太が大部分であり、問題となっている熱帯林とは関係ないと説明する。 それはウソではない。
ところが、日本が熱帯圏から輸入している製紙原料を丸太に換算すると70万立方メートル超、割箸の全原木量の1.5倍以上である。 それが目立たなくなるほど総量がでかいというわけだ。
南洋材といっても、ユーカリのような早生樹種を植林したものなどが大きな部分を占めるが、そのユーカリ造林のために農地を奪われたと怒る現地農民の声や、マングローブ林の破壊が問題になっている例もないわけではない。 エコロジー論議のなかでは、もっぱら再生紙の話が、しかもOA紙とか牛乳パックに特化して語られることが多いが、バブル崩壊まで異常に伸長したOA紙でさえ年産約153万トンで、わが国の紙・板紙生産量の5.5パーセント弱、紙パックの原紙使用量約二5万トンは0.9パーセントにすぎない。
まずは紙そのものに資源論的にアプローチするべきだろう。 そうだ。
忘れるところだった。 その環境雑誌の特集には特に新しい情報はなく、編集者の視点が定まっていないという印象を受けただけだ。

座談会が一本組まれていて、意気込んでやってきたらしいどこかの生協理事というオバサンが、他の出席者から割箸は森林を破壊しないと知らされ、支離滅裂な発言をしているのがおかしかったが。 あんまりおかしかったので、その趣旨(ちゃんと整理して理解してやったのだ)をいまだに覚えている。
いわく「割箸は廃材の有効利用だとしても、焼却するときにかなりのエネルギーが使われて地球温暖化を招いているのなら、環境問題に及ぼす影響がどうなるか、いつも考えなければいけない」。 まったく!どんと焼きにも盆の迎え火、送り火にも反対しろよ。
「文明のバロメーター」は、森林の敵か印刷用紙を印刷インキで汚す仕事にかかわる者が紙の資源論に迫るのは、ちとシビアである。 シバは必ず自分にもかかってくるからだ。
しかし逃げるわけにもいくまい。 紙・板紙生産量年間約2800万トンという日本は、世界第二位の生産国である。
ぶつちぎりの一位はアメリカで約7000万トン、以下、カナダ、中国、旧ソ連、旧西ドイツと続き、上位十カ国で世界の8割弱、二十カ国で9割を占める。 製紙業というのは、地球上にかなり偏りをもって存在するのだ。
一方、一人当たり消費量は、これまたアメリカが約304キログラムでトップ、スウェーデンが続き、カナダと日本は約223キログラム、以下、スイス、フィンランド、旧西ドイツ、デンマークなどが並ぶ。 生産量上位の旧ソ連と中国は、消費量では二十位までのランキングから姿を消す。
いまだ資源の有限性が意識されなかった古き良き時代には、紙の消費量は文明のバロメーターだと言われていた。 それはいまでも正しいのかもしれない。

そして、もしそうだとすると、文明が森林の敵だということは否定しようがない。 なぜなら、世界中の人間がアメリカなみに紙を消費し、その供給をすべてヴァージン・パルプに頼るとすると、現在の木材供給の全量を製紙原料に回しても需要の7割ほどしか満たせないからだ。
日本なみの紙消費でも少し足りない。 あるいは、こんな試算もできる。
地球上の閉鎖林(FAO=国連食糧農業機関の定義では樹冠の投影面積が地面の20パーセント以上を占める森林)を皆伐して全部紙にしたら、アメリカなみの消費だと60年分、日本なみでも85年分ほどしかない。 この数字が示すほどには差し迫った危機感がないのは、すべての「途上国」がアメリカや日本なみになるなんて当分ありっこないと考えられているからだ。
しかし、さすがにリサイクルの必要性は世界中で気づかれてきた。 とくに森林資源が少なく、製紙原料の調達のための出費も抑制したい国では、古紙利用率(紙、板紙生産量に対する古紙使用量)がすでにかなり高いものとなっている。
台湾の86・5パーセントを筆頭に、デンマーク、韓国、メキシコなどで、これらの国では古紙回収率はそれほどでもなく、輸入古紙を製紙原料として重用しているのだ。 生産量上位十カ国の利用率、消費量上位十カ国の回収率を見ると、ともに日本がトップでどちらも50パーセント前後になっている。
日本製紙連合会はその利用率を55パーセントに上げる「リサイクル弱計画」を推進中である。 最大の生産・消費国アメリカは回収率約30パーセント、利用率25パーセント強でまだまだだが、これから伸びるとみて、なんと日本の脱墨剤メーカーが進出を図っている。
これもまたエコビジネスと言うのだろう。 再生紙使用を売りものにするなかれ。トイレットペーパーのように絶対に回収不能のものもあるので、回収率の理論的上限は60パーセントぐらいらしい。
だから日本では古紙輸入をしなくても、「リサイクル弱計画」よりさらに5パーセントほど上乗せできるはずだが、いまのままではとても無理だろう。 思いつきで行なわれる「運動」はあっても「システム」が整っていないからである。

システムがないとは、たとえばこういうことだ。 新聞販売店系が自社の新聞と折込み広告のみを定期回収する。
そうなると、もともと市況が低迷して経費は上がり、収益率が落ちていたチリ紙交換などフリーの回収業者は、その地域を回ってもまったくうまみがないので姿を消す。 いきおい、家庭に残った雑誌やDM包装紙の類は燃えるゴミとして出さざるをえなくなる。
これは数年まえに私自身が経験したことだが、新聞販売店系の回収が始まるまでは紙ならなんでも持っていってくれた業者が、相当量の雑誌を処分したくて、ついでのときに寄ってくれと頼んだのに、「そのへんは新聞系がはいっているから」と応じてくれなかった。 くつにトイレットペーパーのごとき対価がほしかったわけではないから、いわゆる廃品回収業者に依頼し、一万5千円也を支払って片付けたが、そんなことが毎回できるわけはない。
誰かが「いいこと」を始めると好ましくない影響がどこかに起きる、これがシステム欠如の欠陥である。 製紙会社が共同で「分別は家庭でできる資源愛」なんてキャッチコピーをつけた新聞広告を打ったりするが、もう、こういうムード広告の時代ではあるまい。
具体的な分別のマニュアルと、分別したら必ず回収ルートに乗せられるシステムがなければ、環境問題に取り組む「姿勢」だけ見せられても鼻白むだけである。 システムは、伝統的な静脈産業を担ってきた業者をも包み込み、企業町内会とか牛乳パックのリサイクルに熱を上げる、いや違った、熱意を示す運動のように突出した部分ではカバーできない領域をうまくカバーするものでなければなるまい。
となると、行政(自治体)が一枚かむ必要があるだろう。 古紙からパルプを再生することは、原木消費を減らすだけでなく、木材からパルプを生産するのに比べて重油や電力などのエネルギー消費が3分の一ですむというメリットもある。

しかし、すでに述べたように無限循環は不可能だし、エネルギー消費がゼロになるわけでもない。 漂白に塩素を使えばダイオキシンも生成する。

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